逆に、睦実もサブローに近寄れないとかもいいよね。
サブローが自分のこと嫌いじゃないってわかってるのに、
自分がまわりからどう思われているかも知ってるから、
サブローのことを思って、迂闊に歩み寄ることもできやしないの。
自分と仲良くすることで、サブローが悪く思われるのが嫌なんだよ。
一緒にバスケやるの断ったのもそういうことだよね?
「俺入ってもいいの?」って言ってるし、まざりたかったてのは確実で、
他の男子生徒とのしがらみがなければ、一緒にバスケしたんだろうな。
去っていくサブローを見つめる睦実の顔がすべてを物語っているよ。
「俺入ってもいいの?」ていう台詞は、かなり心にくるよね。
いつも楽しそうにしてる睦実の、数少ない本音というかさー!!
睦実の心の奥底にある不安感がビンビンに滲み出てるひとことじゃん。
「悪いけど今日はエンリョしとくよ」云々のほうは、おそらく嘘だね。
せっかく本音を言えたのに、誰も嫌な思いしないために、
すぐに嘘で塗り替えなくちゃならないなんて切な過ぎる。
この台詞の2コマ、どっちも背景で抜いてるけど、
このときの睦実がどんな顔して本音と嘘を口にしていたのかを思うと、
ほんと心にズッシリ重たいものが落ちてくるんだよ。
それを読者に見せない演出も、やっぱりすごいと思う!!
睦実の本音にはサブローも本音で返してるし、建前には建前で返してる。
サブローは睦実の本音と建前をちゃんとわかってて、
睦実が建前を言う意味や意図もうすうす感じ取ってるから、
それに従うしかないんだろうね、サブローもどんな顔してたんだろ。
睦実の顔を見て、全部わかっちゃうんだもん、切な過ぎる。
2010/02/02